歴史を眺め先人のプレーと仕事に目を向け、各地の資料の発展を願う。

 片言隻句やCROSPOで日頃サッカー談義を楽しまれている皆様へ、新しいウェブ企画「日本サッカーアーカイブ」のお知らせです。

 日本サッカーに長く関わってきた者の一人として、先人たちの物語や、それぞれの時代の節目となった事柄(試合を含む)を紹介するサイトを作りたいと考えていました。
この度、日本サッカーミュージアムの協力を得て、発足の運びとなりました。

 アーカイブ(ARCHIVES)は英語ですが、イタリア語でもフランス語でもドイツ語でも、よく似たスペル(綴り)で、それぞれ古文書、公文書といった意味から、その保管所、保管庫というふうに使われています。
日本では「NHKアーカイブス」が有名ですが、こちらの方は、もちろんNHKさんほどの膨大な資料を抱えているわけではありません。むしろ、賀川浩の私的な蓄積を足場に、皆さんからの応援を頂いて、全国の図書資料、PHOTOの発掘に結びつけてゆきたい−−いわば、池へ投じる一石で、その波紋を期待したいというところです。

 このサイトは一応、三つに分かれています。

日本サッカー史

 まず年代順の記録。いわゆる年表です。
 1966年に大谷四郎さん(故人)岩谷俊夫クン(故人)と3人で『ボールを蹴って50年(神戸一中、神戸高校サッカー部史)』を編集したときに、巻末に二十数ページの年譜「サッカーのあゆみ」を作成し、大谷編集長から「世界と日本とわが神戸一中サッカーを対比させた気宇壮大な労作」とお褒め頂きましたが、今度はどうでしょう。
 本来は、もっと古いところから書き始めるところですが、それは後に加筆するとして、まず、日本のスポーツの画期的な、初のオリンピック参加の1912年からスタートしました。

日本サッカー人物史

 日本サッカーがいまの“かたち”になるまで、そのときどきに大きな力があり、後にまで影響を及ぼした先人を紹介してゆきます。
 日本サッカー協会(JFA)の川淵三郎キャプテンの提唱で生まれた「日本サッカー殿堂」のおかげで、メディアの、歴史的な功労者への関心が高まってきました。こうした殿堂表彰者をはじめ、すばらしい先達(せんだつ)のプレーや仕事を理解して頂こうというところです。

【 バーチャルライブラリ 】

 サッカーの図書、資料ということになれば、その数はどれほどあるのでしょう。
 とりあえず、私の手元にある何百冊かの目録を列記することから始めます。
 このバーチャルライブラリで、それぞれの学校やクラブあるいは個人のお宅にどのような資料があるかが判明すれば、とても有難いことです。
 こちらはまだ準備中なのですが、近日中に公開致します。

 サッカーというスポーツは、日本に伝わってきたときにはすでに国際化していました。
 日本サッカーの歴史は、また世界のサッカーの流れ、その背景となる各国、各大陸の歴史と無縁ではありません。このアーカイブでサッカーを通じて、世界への興味、日本歴史への関心、さらには明治、大正、昭和、平成の近代・現代の日本の歩みにも目を向けて頂ければ−−と、83歳の誕生日を迎える老記者は願っています。

 これまで応援して下さった企業の皆様、新しく協賛して頂ける各社の皆様、協力の日本サッカーミュージアムに感謝しつつ、まずは日本サッカーアーカイブのKICK OFFとします。

賀川浩